長野県で誤認されやすい毒キノコの種類とは?

8月もあと数日になり、秋を感じる日も段々増えてきました。
自然に恵まれた長野県ではこれからの季節たくさんのきのこが採れ始めます。
食品衛生の窓から引用させていただきましたが、これからの季節急増する傾向のある食中毒になりますので、
是非ご参考にしてください。

キノコ食中毒の概要

(1)キノコ食中毒発生状況

平成25年から平成29年までに日本全国で、年間16~42件のキノコ食中毒、年間44~110人のキノコ食中毒患者が、発生しています。

(2)食中毒の原因キノコ

キノコ食中毒の原因をキノコ種類別にみると、ツキヨタケ43%、クサウラベニタケ※20%、テングタケ・イボテングタケ7%であり、この3種類の毒キノコで全体の約70%を占めています。
※イッポンシメジを含む

(3)キノコ食中毒発生時期

キノコは、秋に多く採れますので、この時期に採取して食べる人が多くなります。キノコ食中毒も、秋(9月、10月)に多く発生しており、全体の約9割がこの時期に集中しています。

(4)キノコ食中毒の原因となった場所

キノコ食中毒の約9割が家庭で発生しています。 また、販売店、飲食店などで提供されたキノコによって発生した事例もみられます。

2 キノコの見分け方のウソ

 野生キノコを見つけたとき、そのキノコが食べられるのか、毒キノコなのか興味が持たれます。キノコの見分け方として多くの迷信があります。これを信じて、もし、毒キノコを食べたら中毒を起こしてしまうことになります。

(1)柄が縦に裂けるものは食べられる……ウソ

多くのキノコの柄は縦に裂け、ほとんどの毒キノコの柄も縦に裂けます。

写真 ドクツルタケ 写真 ドクツルタケ 写真 ドクツルタケ
猛毒のドクツルタケの柄も簡単に縦にさけます。
(2)地味な色をしたキノコは食べられる……ウソ

毒キノコのほとんどは地味な色をしています。特に、キノコ食中毒の発生が多いクサウラベニタケ、ツキヨタケ、カキシメジなどは地味な色でいかにもおいしそうに見えます。タマゴタケのように色が鮮やかでも食べられるキノコもあり、色での判断はできません。

写真 クサウラベニタケ(毒) 写真 タマゴタケ(食)
クサウラベニタケ(有毒)
地味な色をしていますが毒キノコです。
タマゴタケ(食)
鮮やかですが、食べられます。
(3)虫が食べているキノコは食べられる……ウソ

毒キノコでも虫は食べます。

写真 ツキヨタケ(毒)についた虫 写真 ドクツルタケ(毒)の虫食い跡
ツキヨタケ(有毒)についた虫 ドクツルタケ(有毒)の虫食い跡
(4)ナスと一緒に料理すれば食べられる……ウソ

ナスと一緒に料理しても毒成分は減りません。

(5)干して乾燥すれば食べられる……ウソ

乾燥しても毒成分は分解されません。

(6)塩漬にし、水洗いすると食べられる……ウソ

ほとんどの毒キノコでは効果がありません。

(7)カサの裏がスポンジ状(イグチ類)のキノコは食べられる……ウソ

以前は、イグチ類のキノコには毒キノコは無いと信じられていましたが、現在では、ドクヤマドリなど毒キノコが見つかっています。

この他にも、色々な見分け方の迷信がありますが、あてになるものはありません。

3 毒キノコによる食中毒防止法

 毒キノコで中毒を起こさないように次のことに注意しましょう。

毒キノコによる食中毒防止5ヵ条
  1. 食用と判断できないキノコは絶対に「採らない」「食べない」「人にあげない」。
  2. キノコ採りでは、有毒キノコが混入しないように注意する。
  3. 「言い伝え」は、信じない。
  4. 図鑑の写真や絵にあてはめて、勝手に鑑定しない。
  5. 食用のキノコでも、生の状態で食べたり、一度に大量に食べると食中毒になるものがあるので注意する。

もし、体調に異常を感じたら、直ちに医療機関を受診して下さい。
食べたキノコが残っている場合は、持参して治療の参考にしてもらって下さい。

4 主な毒キノコの毒成分と症状

毒キノコの種類 毒成分 主な症状
症状が出るまでの時間
カキシメジ ウスタリン酸 頭痛、おう吐、腹痛、下痢など
(30分~3時間程度)
クサウラベニタケ コリン、ムスカリン、ムスカリジン、溶血性タンパクなど 下痢、おう吐、腹痛など
(10分~数時間程度)
ドクツルタケ アマトキシン類、ファロトキシン類など おう吐、腹痛、下痢、肝臓や腎臓の機能障害
(6~24時間程度)
ツキヨタケ イルジンS(ランプテロール)など おう吐、腹痛、下痢など
(30分~1時間程度)
テングタケ イボテン酸、ムッシモール、ムスカリン類など 腹痛、おう吐、下痢、けいれんなど
(30分~4時間程度)
ニガクリタケ ファシキュロール類など おう吐、下痢、けいれんなど
(3時間程度)
ベニテングタケ イボテン酸、ムッシモール、ムスカリンなど 腹痛、おう吐、下痢、けいれんなど
(30分~1時間程度)

 

このページは東京都保健医療局 健康安全研究センター 企画調整部 健康危機管理情報課 食品医薬品情報担当が管理しています。

食品衛生の窓:https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin//kinoko/tyudoku.htmlより引用